
守矢史料館は、鎌倉時代より守矢家で伝えてきた守矢文書を保管・公開する史料館です。平成3年に開館し、建物の基本設計は藤森照信教授(当時、東京大学生産技術研究所助教授・現東京大学名誉教授)が行いました。 守矢家は中世より諏訪神社上社の神職の一つである「神長官(じんちょうかん)」を明治時代まで勤めてきた家柄です。守矢史料館は守矢家の敷地内に建っており、諏訪の風景を現在に伝えています。守矢文書は県宝155点・茅野市指定文化財50点を含む総点数1618点の古文書です。諏訪神社の祭礼に関する古文書がほとんどですが、中には中世の信濃国の状況を克明に記録したものがあり、当時の状況を語る上で唯一の史料といってもいいでしょう。中世の古文書でもっとも多い史料として武田信玄の書状があり、長野県だけではなく日本の歴史にとっても欠くことのできない史料です。
所在地 | 長野県茅野市宮川389-1 |
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開館時間 | 9時~16時30分 |
休館日 | 月曜日と年末年始(12月29日~1月3日) 国民の祝日の翌日。ただしこの日が月曜日にあたる時はその翌日も休館。 |
アクセス | ■ JR「茅野駅」より3キロ、徒歩40分 ■ 車の場合:中央自動車道諏訪インターチェンジから車で5分。 |
「御頭祭」の復元展示
ロビーでは、諏訪神社上社において御柱祭と並んで重要な祭礼である「御頭祭」の復元展示を行っています。「御頭祭」は旧暦3月の酉の日に行われていたので、別名「酉の祭り」ともいわれています。現在の御頭祭は4月15日に、上社前宮(茅野市)で行われている祭礼で、中世においては信濃各地の豪族に当番が割り当てられて執行されていました。展示の元になった資料は、江戸後期に日本各地を回り、珍しいことを記録した菅江真澄のスケッチです。古来からの諏訪神社の祭礼の形態を考える上で非常に貴重な展示といえるでしょう。