
日本近代洋画の父ともいわれる黒田清輝は、大正13(1924)年に没する際、遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるよう遺言しました。これをうけて昭和3(1928)年に竣工したのが黒田記念館です。館内には、遺族の方々から寄贈された遺作を展示して画家を顕彰するために黒田記念室が設けられました。昭和5(1930)年には、同館に美術に関する学術的調査研究と研究資料の収集を目的として、現在の東京文化財研究所の前身である美術研究所が設置され、日本・東洋美術に関する調査研究業務が行われてきました。
平成12(2000)年の新庁舎の竣工により、東京文化財研究所の全ての業務が新庁舎に移ったのに伴い、黒田記念館が昭和初期における美術館建築(岡田信一郎設計)として貴重なものであることから、創建当初の姿に復することとなりました。そこで、2階部分を中心に改修が行われ、平成13(2001)年9月に開館、平成14(2002)年には国の登録有形文化財となっています。
平成19(2007)年4月1日には独立行政法人文化財研究所と独立行政法人国立博物館が統合し、新たに独立行政法人国立文化財機構が設置されました。これにともなう組織改編により、黒田記念館は東京国立博物館に移管されました。
平成24(2012)年4月からは、耐震補強を中心とした改修工事のため閉館していましたが、平成27(2015)年1月2日にリニューアルオープンいたしました。
当館では、黒田清輝の油彩画約130点、デッサン約170点、写生帖などを所蔵し、特別室と黒田記念室で展示されています。
写真:黒田記念館外観
所在地 | 東京都台東区上野公園13-9 |
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開館時間 | 9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで(時期により変動あり) |
休館日 | 月曜日(祝日・休日の場合は開館、翌火曜日休館) 年末年始 ※原則として、ゴールデンウィーク期間とお盆期間中は無休 |
備考 | 特別室開室日は東京国立博物館WEBサイトを参照 |
アクセス | ・JR「上野駅」公園口、「鶯谷駅」南口 徒歩15分 ・東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」徒歩15分 ・東京メトロ千代田線「根津駅」徒歩15分 ・京成電鉄「京成上野駅」徒歩15分 |